合気道研心会の会員の皆様にお聞きした「合気道体験談」です。
畑山貴代先生に聞きました
パートナーとして、また私たちを導く先生として、道場を支えてきた畑山貴代先生におききしました。
まえがき
狭山台道場といえば、色とりどりの華やかで可憐な花々。訪れた人々の心を和ませてくれる、道場開き以来ずっとたえる事のない、貴代先生のもてなしの心がここにある。
質問と答え
- ご出身はどちらですか
- 東京の昭島です。
- 合気道をはじめたきっかけは何だったのでしょう
- 中学の体育の時間に柔道をした時に”受身”の面白さを感じまして将来をとおして何か武道を続けたいと思いました
- 小林道場で畑山道場長と出会われた頃の印象で憶えてらっしゃることがあれば教えて下さい。
- 初めて組んだのが”三教の呼吸投げ”です。今でも憶えています。何と優しく(弱く)投げる人かと思いました。
- 武道家の妻にというものについて、結婚当時なにか決心のようなものはございましたか?
- これといってとくにありませんが、あまり前に出ない様にしています。
- 時間があるときの道場長は、何をしていらっしゃるのでしょうか?
- 読書、昼寝、それに柴犬”さくら”の散歩と手入れですね。
- 奥様の手料理で、道場長が特にお好きなメニューはなんでしょうか?
- 美味しい、まずいを言わないので、いまだになにかわかりません(笑)
- お好きな俳優・歌手などはいらっしゃいますか?
- 中井貴一さん、佐藤浩一さんです。NHKのドラマの検事役が素敵でした。
- ご自身のお子様も合気道の稽古にいそしんでいますが、子供の成長において合気道はどんなよい点があると感じますか?
- 生活にめりはりができると思います。また、幅広く友達が作れ学生生活に潤いができるのではないでしょうか。
- 長きにわたって、蔭に日向に道場長を支えてきた畑山貴代さんにとって一番嬉しかった道場に関する出来事はなんですか?
- 道場を開設できたことです。
- 逆に苦労したこと、辛かったことは何ですか?
- それは多すぎて答えきれませんね(にこやかに笑いながら)
- 最後に畑山貴代さんにとって合気道とは何ですか?
- 人との出会いです。日本、ドイツ、アメリカ、イスラエルなど、各国さまざまな多くの人達と出会え、心を通わせることができて感謝しております。
編集後記
二十数年前、一個人が合気道を始めることは今よりずっとその敷居が高かったのではなかったろうか。無頼な輩も居たと聞く。ましてや貴代さんは女性である。大いなる決断と胸に秘めた気概があったはずである。そういえば、その当時のお話で印象に残っていることがある。
貴代さんは小林道場の小平で稽古をされていたが“道場に一歩入ったら、稽古に集中して、話しさえしないこともありました。”、“稽古を通して、自分 を律していくことを求めていました”と、話されたことがあった。「真剣」「律する」「規律」「節制する」。そこに、喜びを見出された。精神の充実に重 きを置くことの大切さ。それを改めて認識させていただいた。
合気道に求めるものが個々人で多様化し、またご自身も指導者となった今激しさ、厳しさ以外のものが要求されることもあるだろう。しかし、稽古をしている姿に熱き血汐の秘められているのを感じるのは私だけであろうか。
最後に、お子様のお話を少々。狭山台道場ではピアノの調べがきこえてくる。次女の弥保ちゃんが弾いている曲はなんだろう。以前より随分難しい曲だ。
朝稽古の早朝、長女の真理さんが愛犬との散歩に出掛ける。この間中学生だったと思ったら、春に短大に入学された。長男の弘君は成人式を終えた。手前勝手 ではあるが、お子さんの成長を楽しませていただいている。もうすぐ夏休み。帰省した弘君が稽古をしている姿を見ている貴代さんの眼差しは、やはりご自分の 稽古のときとは違う優しい母の顔である。